父の入院でわかった家族の役割

一昨年父が肺がんのために入院しました。手術前の検査が長引いたせいで、手術後のリハビリ期間も含め2ヶ月少し入院していました。入院中、母はほとんどの時間を病院で過ごしていたので、私も妹も時間を見つけては病院を訪れるようにしていました。

家族が入院してわかったことは、病院では基本、全て医師や看護師さんといったプロが面倒を見てくれるので、家族は案外することがないということです。付き添っている母の仕事も洗濯をしたり(病院にはコインランドリーや洗濯物を干す場所もあった)、見舞客の相手をしたりという程度で、それほど多くはないようでした。

それでも父の容態を案じながら付き添っていることはかなりのストレスになるらしく、時々顔を出す私たちの仕事は、もっぱら母の愚痴の相手をすることでした。

そんな時に気晴らしとなるのは、単純ですが食べ物でした。病院内にいると、病院の食堂や売店で売っているお弁当など、単調になりがちです。カレーの残りを持って行ったら意外なほど喜ばれたりもしました。

手術の前後は確かに大変でしたが、放射線治療を併用しながら回復を待つ間は、本人も周りも持久戦だったように思います。